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もしもの時に助けてくれる救世主。「供血猫」の存在を知っていますか。

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供血猫の存在を知っていますか。

いざという時、愛猫の命を救ってくれる「供血猫」の存在。決して注目される事はないけれどこの子達は陰ながら多くの命を救っています。
そんな供血猫について調べてみました。

供血猫とは

人間で輸血が必要となった場合、全国各地にある日本赤十字社の血液センターから輸血を受ける事が出来ます。しかし、猫の場合はそのようなシステムがありません。輸血が必要となった場合に血液を分けてくれるのが供血猫なのです。輸血治療を必要とする大きな病院などではこのような役割を担う供血猫が多数飼われている事があります。また、一般家庭の飼い猫がドナー登録をするシステムもあり、必要な時に依頼があり献血をする事もあります。

動物病院で飼われている猫の多くは保護された猫や捨てられていた猫が多いといいます。なんだか血を提供させる為だけに飼われているようで可哀想なイメージを持ってしまいますが、供血猫達は一般家庭と同じく病院スタッフに可愛がられ病院で暮らしているのです。

供血猫になるには、条件など

どんな猫でも供血猫になれる訳ではありません。調べてみると下記のようにいくつかの厳しい条件をクリアしている事が必須なのです。

【供血猫になれる条件】
年齢:1-7歳
体重:4kg以上
・混合ワクチン接種が毎年されている健康な猫
・麻酔をかけずに採血可能な温厚な性格

※以下の項目に該当する動物はご登録いただけません。
・過去に「輸血を受けた」ことがある
・妊娠、出産したことがある
・全身性の感染性皮膚疾患がある
・これまでに血液媒介性の感染症に罹患または罹患した疑いがある(猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)、ヘモプラズマ(ヘモバルトネラ)など

日本動物高度医療センター

このように見てみるとなかなか狭き門なのかもしれません。健康体で病院に免疫があり、管理されている猫という感じがあります。

猫の血液型

あなたの猫は何型?と言われてすぐに答えられる飼い主さんは少ないのではないでしょうか。
猫の血液型はA型、AB型、B型の3種類となります。
日本の猫の80%~90%はA型、20%前後がB型で、AB型は数%以下です。
なかでも猫種によって偏りがあり、
ソマリ、アビシニアン、ペルシャ、スコティッシュフォールド、ヒマラヤン、バーマン、スフィンクスは15~30%がB型
エキゾッチックショートヘア、ブリティッシュショートヘア、コーニッシュレックス、デボンレックスは30%以上がB型 と報告されています。
猫の血液型は母猫と父猫から受け継いだ血液型遺伝子の組み合わせ(遺伝子型)で決まります。
ちなみに血液型を調べる方法は動物病院で採血をしてもらい国際的に承認されている猫血液型判定キットを使って、猫赤血球抗原を調べます。

怪我や病気など輸血が必要になった場合、異なる血液型を輸血してしまうと当然の事ながら副作用があります。
心配な方は事前に血液型を調べておくのもよいでしょう。

また、猫は人間のように血液型による性格の傾向はありません。親猫の性格や生まれ育った環境により変わってくると言われています。
(確かに、私も猫3匹と暮らしていますが、雑種なのでほぼA型と思われますが性格はバラバラ。甘えた、ツンデレ、ほどほどと見事に分かれます。)

献血の流れ

さて、供血猫の事を知った上で自分の飼い猫も供血猫に登録したいと思われる方もいるのではないでしょうか。
供血猫に登録しドナーとなった場合、具体的にどのような流れになるのか説明します。

①ドナーを募集している動物病院にて血液ドナー登録をする。
病院によって違いますが、血液型検査、血液検査による健康診断が無料の場合が有ります。
②輸血が必要になった時、依頼され献血を行う。
【献血の方法】
当日、健康診断で問題がなければ、首の血管から採血(採血時間5分~15分、採血量30~60ml)。衛生の為採血部分は毛刈り(5cmx5cm程度)が必要となります。献血後、病院で異常がないか様子をみて帰宅。
※回数は何度も呼ばれるのではなく年に最大2回~3回までの所が多いようです。

ドナーになると、多くの病院では下記のような【特典】を受ける事が出来ます。
例としては(各病院によって異なる)
・健康診断が無料
・年に一回のワクチンが無料
・血液型プレートがもらえる
・感謝状がもらえる
・フードやおやつがもらえる

ワクチン無料などは嬉しい特典ですね。
実際自分から血液を抜くのではなくて、愛猫からのなので気が引けますが、もし自分の猫が輸血が必要になった場合を考えると他人事とは思えませんね。

供血猫バタコちゃんの事。

供血猫で有名なのが書籍にもなったバタコちゃん。バタコちゃんは病院で暮らす猫で供血猫をしていましたが、病気で余命宣告を受けたのちに病院で勤務するトリマーさんに引き取られ最期を迎えました。

小さな身体で多くの命を救った供血猫バタコちゃんの物語です。

空から見ててね いのちをすくう“供血猫"ばた子の物語 (集英社みらい文庫)

空から見ててね いのちをすくう“供血猫"ばた子の物語 (集英社みらい文庫)
ばた子ちゃんは、「供血猫」でした。「供血猫」とは、ケガや病気の仲間のために血をわけてあげる仕事をする猫のこと。私がトリマーとして働いていた動物病院にいました。病気で余命宣告を受け、家でひきとったこと、お空に旅立つまでいっしょにいたこと――。とても大切な思い出です。今は、3匹の子猫とくらしているけれど、空から見ていてくれるかな。

出典:集英社

供血猫を募集している病院例

猫の血液は長期保存が出来ない為、呼び出しがかかれば事前検査をして病院にいかなければなりません。
もしドナーになるのであれば自宅から通える病院でドナーになる方が良いでしょう。
大々的にHPなどでドナーを募集している病院もあれば、そうでない病院もあります。
ここではどのように募集しているのか幾つかの病院を紹介します。

【日本動物高度医療センター(JARMeC)】
川崎本院 神奈川県川崎市
名古屋病院 愛知県名古屋市
東京病院 東京都足立区
https://www.jarmec.co.jp/bloodbank/
※二次診療施設として高度な医療を行う。重篤な患者も多いので輸血を必要とする事が多い。

【山陽動物医療センター】
岡山県赤磐市
http://www.sanyo-amc.jp/donor.html

【ガルシア動物病院】
東京都江東区
http://www.garciaah.com/donor.html

【あいの里動物病院】
北海道札幌市
http://www.ainosato-vet.com/donor.html

【あきたこまつ動物病院】
秋田県秋田市
http://akitakomatsu-ah.com/donor.html

まとめ

動物病院に行けば、治療をしてもらえ必要であれば輸血もしてもらえる。そんな風に安易に考えていましたが、輸血の血液は当然どこかの猫ちゃんから頂いたもの。陰ながら支えてくれている供血猫の事を知り感謝しなければなりません。
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つくちゃん

動物が好きで子供の頃から犬や猫と暮らし、大人になったら「ムツゴロウ王国」に住むのが夢でした。結婚してからは王国暮らしではありませんが、常に猫数匹とまみれる生活です。

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