近年の猛暑。猫も熱中症になる時代です。
猫の熱中症を理解し予防対策しましょう。
熱中症が起こりやすい時期
熱中症発生状況
出典:アニコム損保
熱中症は真夏だけだというイメージがありますが、実はゴールデンウィークの時期から発症が報告されています。
動物保険を取り扱っている「アニコム」さんでは犬、猫の熱中症を無くす為に勢力的に取り組まれています。
「アニコム」さんによると熱中症の発症時期は5月からと報告されています。
犬の熱中症週間予報
出典:アニコム損保
発症時期になると犬の為の熱中症週間予報というのも公開されていてとても参考になります。
犬は散歩やドッグランなど炎天下で外に出るという危険性があり、猫とは少し違うかもしれませんが、この時期、猫飼いさんもチェックしておいて損はないと思います。
暑くなってきたなと思ったら閉じ込め、部屋の密閉など十分に注意し必要であればエアコンを付ける事も必要です。
猫の熱中症となりやすいシチュエーション
環境や社会の変化に伴い、数年前より熱中症で倒れる人が増加傾向にあります。
熱中症とは炎天下の下でだけ発症すると思われがちですが、実は閉めきった室内でも容易に起こりうるのです。
温度が高く湿度も多い高温多湿状態が最も危険なのです。
猫も同じく熱中症になります。猫はもともと砂漠で生活していた生き物なので比較的暑さには強いといえますが、人間のように上昇した体温を汗によって放出する事ができません。(猫はグルーミングをして体温を下げたり、涼しい場所で体をペタッと床につけて体温を下げます。)
もともと猫の体温は38~39度前後(仔猫は39度近く、老猫は37℃後半~38℃前半台)なのですが、体温のふり幅は人間のように大きくなく41度を超えれば危険な状態に陥る事もあるのです。
猫の体温には普段から注意しておきたいものですが、どのように熱を測ればよいのでしょうか。
一般的に猫の体温は肛門に体温計を差し込み測るのですが、自宅ではそうもいきません。
そんな時は猫の耳の付け根を触ります。
猫の耳には毛細血管が詰まっており、体温上昇時は血管を膨らませ熱を放出しようとします。
平常時に猫の耳の付け根を触ってみるとひんやりとしているのですが、体温上昇時は熱くなっているのです。
外で生活する猫は自ら涼しい場所を探して涼をとる事ができます。
しかし、室内飼の猫は部屋の中の温度が上昇してしまうと逃げ場がありません。
特に閉めきった部屋、トイレや押入れの中など狭い所に閉じ込められてしまった場合など非常に危険です。
また、自宅以外でもキャリーバッグに入れての長時間の移動や閉めきった車中での留守番等も大変危険です。
真夏日にそういったシチュエーションになり得る場合は特に注意しなければなりません。
熱中症になりやすい猫
熱中症になりやすい猫として高齢猫や仔猫、持病のある猫があげられます。
体温調節が難しく熱が体内にこもりやすくなります。
また、猫種として短頭種に分類されるペルシャやヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどは鼻腔が狭くスムーズな呼吸をしにくい身体の構造になっています。真夏の暑さの中ではより悪化する為、注意が必要です。
肥満の猫も皮下脂肪によって心臓に負担がかかり熱中症になりやすいといえます。
熱中症の症状
熱中症の症状を把握しておき万が一の時に備えましょう。
【軽度】
・食欲がない
・元気がない、ぐったりしている
・呼吸が早い
・目や口腔粘膜の充血
・よだれを垂らす
【重度】
・意識が朦朧としている
・呼んでも反応しない
・眼振がある
・痙攣
・虚脱や失神、筋肉のふるえ
最悪の場合は死に至る事があります。
熱中症になってしまったら
暑い日に帰宅したら猫がぐったりしている、いつも様子が違うと感じたら熱中症を疑う必要があります。
熱中症は早めの処置が肝心です。すぐにかかりつけの獣医さん、または救急病院にいきましょう。
その際、猫の身体を出来るだけ冷やしながら向かう方がよいでしょう。
猫の身体の冷やし方としては猫を涼しい場所に移し
・全身を冷たいタオルで包む
・水をかけうちわや扇風機などで風をおくる
・タオルでくるんだ保冷材などを内股や首筋、わきの下に挟む。
体温を下げる事が自宅ですぐに出来る処置と言えます。
病院に向かう前に電話で動物病院に症状を説明し指示を仰ぐのも良いでしょう。